■映画《MUD》

映画の話題です。
例によってネタバレ必死ですので、嫌な方は回避して下さい。

【ネタバレ】 (映画.comから
アメリカ南部、アーカンソーの川岸に暮らす14歳の少年エリスは、親友ネックボーンと出かけた川の中州でマッドという男と出会う。いわくありげで身を隠して暮らしているマッドに興味を抱いたエリスは、次第に友情を育んでいくが、ある日、マッドがテキサスで人を殺し、警察や賞金稼ぎに追われているということを知る。マッドは幼なじみで最愛の女性ジュニパーと再会することを夢見ており、年上の女の子に初恋中のエリスは、同情心から逃走の手助けをすることになるが……。

けっこう最初から最後まで、主人公エリスは不幸なのですよ。

この映画のテーマというか主題というか、様々な解説がネット上にありますが、正憲的にしっくりくるものがありませんでした。
なぜなら、初回の印象が「愛なんてない」というテーマに思えたからです。
親友ネックボーンとの関係は最後まで続きますが、愛に至っては散々なものばかりです。
エリスの周りの大人達がクズするのかもしれませんが、現実もそうかけ離れてはいない気もします。

主人公エリス役のタイ・シェリダン

主人公エリス役のタイ・シェリダン君若いねぇ。
というか、完全な子ども😁
子役時代というには大人ですが、やはり子ども。
こんな時代があったのですね。

離れ小島に隠れる怪しいマッド(マシュー・マコノヒー)

クズな大人役のマシュー・マコノヒーは昔から変わらないようです。
マッドという「テキサスで人を殺し、警察や賞金稼ぎに追われている」クズの役柄で、まぁ嵌まってますな。
子どもを騙して、逃亡用の舟を準備するというひどい大人です。
最後は少しだけ情を示しますが、やることは最低です。

マシュー・マコノヒーが演じているからか、マッドの役柄にも評価を示す人がいましたが、いやいや普通に考えてクズですよ。

マッドのために船修理に励む二人

さて、エリスがどれだけ「愛」に恵まれない境遇かというと、

(1)両親の結婚生活が破綻していて別居の予定
(2)父親の収入が少なく、妻の援助に依存している
(3)好きになった年上女子から相手にされない
(4)マッドは女性絡みで殺人までした
(5)マッドが好きな幼馴染み女子が男にだらしない
(6)マッドと幼馴染み女子は結局結ばれない
(7)親友ネックボーンの叔父は女性とはセフレのみ
(8)愛着あるボートハウスは行政執行で破壊される

周りの大人達がひどすぎて、エリスは「愛」について不幸な境遇に置かれ続けます。

現実世界の厳しさに直面するエリス

最後まで、何だかなぁと思いながら進んでいく映画ですが、親友ネックボーンとは楽しい関係が続いたようです。
それは良かったと思います。
愛なんて、「そうあってほしい」という思いがお互いにあるときだけ成り立つもので、そうでなくなったときには直ぐに破綻してしまうものです。
愛なんて・・・・・、愛なんて・・・・・・・

タイ・シェリダン 【ゾンビーワールドへようこそ】

主人公エリス役のタイ・シェリダン君ですが、このブログで以前に紹介した映画《ゾンビーワールドへようこそ》に出演しています。
主人公ベン役です。
この映画は一応ホラー系になりますが、軽めなので苦手な人でも楽しめると思います。
下のリンクから解説をご覧ください。

正憲のネタバレ記事はこの画像をクリックしてください

親友ネックボーン役のジェイコブ・ロフランド君は映画《メイズ・ランナー3》に出演しています。
なんとその配役名が「エリス」(笑)。
成長しすぎていて、面影がまったく分かりませんでした。
白人の子どもは大人になったときとのギャップが大きいと改めて感じました。

ジェイコブ・ロフランド 【メイズ・ランナー3】

映画《MUD》に評価を付けると ★★★☆☆ ぐらいでしょうか。
愛とは何か、を否定的に捉えていきたい人に向いています。
「愛」を信じて疑われないお花畑な人にはきっと合わないでしょう。
タイ・シェリダン君の表情や演出が素晴らしく、子役としての見どころはありましたよ。

正憲
■閑話・徒然

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