▼『世界線』というワードの乱用

まずは、『世界線』という言葉の意味を共有しましょう。

「世界線」は、もともと物理学の用語として、零次元幾何を持つ点粒子の時空上の軌跡を指す言葉です。
しかし、特に若者の間では、ゲームの「シュタインズ・ゲート」の流行によって、「並行世界」や「分岐した時空」を意味する言葉として使われるようになりました。
［AIによる概要］

陰謀論界隈や予言予知界隈でこの『世界線』という言葉が多用されていました。
予言した人、預言された人、予知した人、それらの人たちは「起きる」ことを何度も説きます。
そしてその日が訪れて何も起きなかったとき、「世界線」が変わったと言うのです。
人々の祈りが通じた、傲慢な人は「私の」祈りが通じた、神の導きで回避された、などなど聞こえの良い理由（言い訳）が並べられます。

変だとは思っています。
しかし、正憲にはそれを調べる術がありませんし、予言も予知もできません。
ですから、「世界線が変わったんだぁ～」と、モヤモヤした思いを持ちながら受け入れるしかありません。
でも、ずっと変だと思っているのですよ。

世界線って、こんなにも簡単にコロコロと変わるものなの？

世界80億人超が全員で祈ったならそういうこともあるだろうと思えます。
しかし、陰謀論界隈や予言予知界隈、スピ界隈の少人数で共有される内容なので、祈りの量は圧倒的に少ないはず。
選民思想や独善思考の強いキリスト教圏の人たちは「自分たちの祈りの力」と誇示するかも知りません。
正憲からすれば、たかが人間の口先三寸なのですよね。

複数の平行世界が同時に存在するという考え方には賛同します。
オカルトの世界の話ではなく、物理学の世界でも科学的に予想されているから。
そして、人間はそれを自覚できないという考えにも賛同します。
三次元で生きてるので、オーバーレイの世界は見えないからです。

平行世界（＝世界線）の流れが変わるというのは、余程のことだと思います。
災害を無くす、減災するというレベルでは変わらない気がします。
もしそれが叶うなら、世界中の人が平和と安寧を願っているのにこんなにも荒んだ状態が何百年と続いていることがおかしいからです。
宗教の存在価値にも疑問が出てきます（宗教については別途言いたいことがありますが、別の機会に書きます）。
世界線という言葉で片付けられるオカルト界隈の状況に釈然としない日々でした。

あるとき、プレアデス星人のハルさんの動画を観ました。
最近はちょっと内容が微妙なところですが、最新回でその答えを得られた気がします。
「世界線が変わったのではなく、そもそも間違った情報を信じる世界線にいただけということ」
なるほどね、世界線は何も変わっていなくて、ただ自分が信じることや言動を誤り続けるような「時間概念」にいるということなのですね。

上図のうち、自分がいる時空が「平行世界Ａ」として、将来に第三次世界大戦が確実に起きそうだという未来に向かっているとします。
ある人は祈り、ある人は政治の力を発揮し、ある人は軍事力を駆使し、そうして十数年後に戦争が起きなかったとします（平行世界Ｂに移った？）。
多くの予知者や予言者はここで「世界線が変わった」と表現するのだと思います。
しかし、別の「平行世界Ｃ」があって、もともと戦争が起きるような未来はなく、その過程の中で人類が努力し、祈り、力を尽くして戦争を回避することがそもそもの「世界線」であった可能性もあるわけです。
世界線が変わったということを証明する方法がない人類には、それを口実に過去を理由付けすることは避けなくてならないと思います。

そういう現在と未来が存在するなら、「世界線」が人類に与える影響と人類が捉えるべき「世界線」という考え方を理解できます。
現在の私たち人類は成長しているわけでなく、常に同じ過ちを繰り替えしている。
本物の予言者や預言者、霊能者は滅多にいるわけないのに、ネットに湧いてくる“にわか”な人たちを信じてしまう。
さらに不幸なことに、その中にいるかもしれない“本物”を見抜く力もない。

真の目覚め

もしも「世界線」が変わるときがあるすれば、それは人類の全体もしくは一部の大人数が何かに目覚め、心や行動が変わったときだと思うのです。

「祈りで世界線が変わった」などと安易に言う予言者や預言者、霊能者がいたら、要注意だと判断したいと思います。
地震や台風、その他の自然大災害は地球との関わりで起きることですから人知は及びませんが、戦争は「人間の意志」で起こすものです。
祈りや何やらで回避するものでありません。
それを起こした人が生きているときに責任を取らなくても、死後にはそれなりの神罰があることは感覚的に分かります。

地球人類の「世界線」が本当に変わるとき、自分がどこに向かうのか、向かう選択肢を与えられるのか、それを考えながらスピ界隈を楽しみたいと思います。