<3>コロナウイルスの免疫と予防ワクチン

この記事は以前にLINEのタイムラインに載せた内容の備忘録です。
最新の内容ではなく、私見も含まれるのでその点をご了解下さい。
常に最新の情報を入手するように心掛けて下さい。

[令和2年4月26日 LINEタイムライン掲載]

結論を書けば、コロナウイルスに対する免疫系については分かっていないことが多いです。
インフルエンザのそれに近いのか、デング熱ウイルスのような型式があるのか、エボラウイルスのような増殖系なのか、分かっていません。

欧州では「集団免疫を早期に獲得して対策する」と言われています。
将来的には正しい考え方だと思いますが、集団免疫獲得は『集団のための犠牲』を伴っての結果だということを確認すべきです。
一人の犠牲もなくいつの間にか人類が免疫を獲得するなら、それは脅威の感染症ではありません。

先日のニュースではニューヨーク州で人口の15%に抗体ができていたという内容がありました。
抗体の存在は感染してそれに免疫系が対抗したという証拠です。
ここで厄介なのは、

抗体ができた=新型コロナウイルスへの抵抗ができる

ではないということです。

インフルエンザや風邪症候群のように、繰り返し感染する人がいることを思い出すと、感染して抗体ができたから次の感染を防げるという簡単な流れではないとお分かりいただけると思います。
一度免疫ができたら二度と罹らない、という終生免疫でもなさそうな予測です。
ただし、体の反応が上手くいく場合は抵抗性が強くなることは考えられます。

画像1

抗体ができたということの厄介な2点目は、次の感染のときに防御の免疫システムが過剰反応してしまうことがあるということです。
ウイルスではありませんが、ハチ毒は2度目に強い症状を生じることがあることを聞いたことがあるでしょう。
ウイルスに2回目の感染があった際に免疫系は抵抗しますが、自分の体にも相当のダメージを生じることがあります。
最悪の場合はアナフィラキシーショックの末に死に至ることがあります。

実際の感染によって免疫を受けるのではなく、人為的に免疫系を強くしようという方法が「ワクチン投与」です。
世界中で開発を急いでいます。
従来からのコロナウイルスに対するワクチンは今までありませんが、新型コロナウイルスにターゲットを絞れるワクチンが見つかると、現状よりも症状が緩和できる人が増え、感染してもごく軽症で治まる人が多くなるでしょう。
ワクチンには副作用も多いことから、世界中で接種できる製品が開発されるにはまだ時間がかかると思います。

最も早期に開発が望まれるのが治療薬です。
インフルエンザに対する「タミフル」や「イナビル」のように、感染が分かった時点で早期に治療できれば重症化を免れます。
耐性ウイルスが発生しないような高品質の抗ウイルス薬の開発が望まれます。
治療薬ができれば、万一感染しても対処できるので多少の安心があります。
現在は治療法がないのが一番のネックです。

現在できることはやはり「自分が感染しない」と「他人を感染させない」です。
とても大変なことでありますが、もうしばらく外出自粛や人との接触頻度を少なくする努力を続けましょう。

正憲
▲筋鍛・健康

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