<7>新型コロナウイルス(COVID-19)の今後
最新の内容ではなく、私見も含まれるのでその点をご了解下さい。
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[令和2年5月2日 LINEタイムライン掲載]
経済については「自粛はいつまで続くのか?」が最大の関心だと思います。
医療の面でも同様に不要不急の外出自粛がいつまでかと、COVID-19の猛威がいつ終息するのか?が気になるところです。
今回は「COVID-19はいつ終息するのか?」について書きます。
本題に入る前に、昨年の夏に流行したインフルエンザ(Flu)について書きます。
インフルエンザは通常は冬季をメインに流行します。
ところが、昨年は夏頃から流行初め、沖縄では9月をピークに晩秋まで流行が続きました。
年末に近づくにつれて急激に流行が収まりました。
ここで注意なのが、このインフルエンザ流行は通常知られたインフルエンザウイルス(flu-virus)によって引き起こされたことです。
既に知られているA型インフルエンザでした。
パンデミックが恐れられていた新型インフルエンザではありません。
この流行は予測出来ませんでした。
ワクチン接種は通常は10月からですので、ワクチン接種開始前の流行ということで罹患者が増えたわけです。
復習として、<6>で解説したコロナウイルス7種類を載せます。
◇感冒などを引き起こす4種類
・hCoV-HKU1
・hCoV-NL63
・hCoV-229E
・hCoV-OC43
◇致死的肺炎のアウトブレイクを起こす3種類
・SARS-hCoV(SARSウイルス)
・MERS-hCoV(MERSウイルス)
・SARS-hCoV-2(COVID-19)
これらを踏まえて、本題に入ります。
SARS-hCoV-2(COVID-19)はこれまで知られていなかった未知のウイルスです。
毎年流行するウイルス(flu-virus等)でも予測が困難な状態ですので、COVID-19については更に難しいことを理解してください。
その了解の上で記事を続けます。
【資料1】は感冒の原因になる一般的なコロナウイルスの抗体陽性率です。
11月頃から増え始め、年を越して春頃まで高い状態です。
この時期はコロナウイルスが最も流行する時期です。
夏頃には減り始めることから、COVID-19についても同様に減るのではないかとの予測があります。
ただし、上述の昨年のインフルエンザのように夏にも流行る可能性は残されています。
様々な意見・見解がありますが、一つの推測を載せてみます。
1)現在の流行は(外出自粛が徹底された場合は)一旦は終息する
↓
2)人の動きがある初夏に小さな流行が起き、すぐに終息する
↓
3)初冬から再び流行が始まり、爆発的流行になる
COVID-19も従来型のコロナウイルスと同じような流行パターン(【資料1】)になるかもしれないという推測です(あくまでも予測)。
秋までにSARS-hCoV-2のワクチンが臨床応用されないと、秋以降には「無防備な状態」で感染恐怖にさらされることになります。
それまでにウイルスが弱毒化してくれた良いのですが、通常は変わらないか、強毒株の出現の可能性が高いです。
その前(晩夏頃)にインフルエンザの流行の可能性もあります。
flu-virus → SARS-hCoV-2 のダブルパンチで感染症が流行する可能性も否定はできません。
【資料2】はゲノム解析によるSARS-hCoV-2の変化の様子を表しています。
濃紺の日本で検出されたゲノムパターンは武漢のウイルスからの派生であることが分かります。
しかし、そこから離れて、欧米では明らかな変異したであろうゲノムパターンも見られます。
人の移動を抑えられなかった数ヶ月で、これだけSARS-hCoV-2は進化(変異)したわけです。
ウイルスが変化すればするほど、強毒ウイルスが出現する可能性も高まります。
ウイルスの変異の多様性を考えると、残念ながら、早い時期にCOVID-19が終息することはなさそうです(年単位?)。
GWは経験したことがないぐらいにひっそりとした連休になりそうです。
現在行われている生活自粛をいつまでも続けるわけにはいきませんので、どこかで解除されます。
その際にも気を抜かず、海外渡航や大規模イベントの自粛は必要だと思います。
昨年までは世界はグローバル化だの国境を越えてだの拡大を続けていました。
これらは再び「小さな生活」に戻らざるを得ないかもしれません。
MERSやSARSを乗り切ったじゃないか!という意見も聞かれます。
調べていただいたら分かりますが、規模と分布が今回とはまるで違います。
そのとき日本はどこか他人事のようでした。
しかし、今回のCOVID-19は違います。
普通に考えて、秋までにワクチンが開発される見込みはほぼありません。
現在している対策の「うつらない」と「他人にうつさない」を今後も徹底することが最善策です。
楽観できる情報や確立した予防法、治療法がない現在、大切な人を失わないための行動を今一度自覚しましょう。